この実用的な栽培技術の研究で中核の役割を果たしたのは、金日成総合大学生命科学部の研究者である博士、助教授のチ・ウンジョンさんです。
　チさんがこの技術の研究を思い立ったのは、１０数年前の大学院の卒業を控えたときでした。
　国の食糧問題の解決で切実な研究だったからです。
　それで、専攻とは程遠い新たな分野の研究に踏み切りました。
　研究チームの私心のない助けを受けて、水田への引水と施肥の同時効果を最大に高める方法の確立に精魂を傾けました。最適化した実験数値を得るため数年間も農場で実験を重ねました。
　その過程に、水稲の栽培で肥料の効果を高める所要量の肥料の投入装置を開発し、それに基づいてこの施肥方法を確立する成果を収めました。
　チさんは、研究の成果が現場で功を奏するよう、その導入にも手間をかけました。
　毎年、研究チームと共に国中の多くの農場に出て、技術伝習、モデル講習も行って穀物増産に大いに役立てました。
　一つの技術を開発しても、それが実際に国の助けになるように。
　これがチ・ウンジョン博士のモットーです。
　チさんは２０２３年の国家最優秀科学者、技術者の一人です。